親の異変に気付かなかった

二世帯住宅で自立していたはずの母が認知症に

以下は、親の認知症に気づかなかったという事例です。

共働きのKさん(55歳)は夫と長男の三人家族。二世帯住宅の2階にKさん一家、1階に実の母(80歳)が一人で暮らしていました。母は血圧が少し高めな他は体調に問題なし。共働きで忙しいKさん一家に頼らず、炊事から選択、掃除までを自身でこなして暮らしていました。

母の異変に最初に気づいたのは、週に一度、祖母と食事をしていたKさんの長男です。「時々ぼんやりしたり、意味不明なことを言ったりする」と言うのです。

Kさんは驚き、母の部屋を訪ねる回数を増やしましたが、部屋も片付いているし、会話もしっかりしており、いつもの母と変わらないように見えました。しかし、しばらくすると、母の部屋はいつも炊き立てのご飯の匂いがするようになりました。それまでは朝、ご飯を多めに炊き、それを温めて昼夜の食事をしていたのに、一日に4度も5度もご飯を炊くようになっていたのです。

母は血圧の薬をもらいに「かかりつけ医」に通院していたので、Kさんも同行し主治医に相談することにしました。「母は嫌がりましたが、私自身の体調が悪いから先生を紹介して、と頼み同行しました」をKさん。問診を受けた後、総合病院への紹介状をもらって検査を進めた結果、母は「レビー小体型認知症」であることがわかりました。

投薬治療をすることになり、Kさんも母の部屋を訪ねる機会を増やして家事を手伝ったり、買い物に同行するようにしました。すると、日用品を使いきれないほどストックしている、衣類の整理ができていない、血圧の薬の飲み残しが多い、日に何度の食事をしようとするなど、多くの異変に気付きました。

「日中、母が過ごしているリビングはきちんと整理され、掃除もされたいたので、身の回りのことができなくなっているとは想像していませんでした、私たちが気づかないうちに、少しずつ少しずつ、認知症が進行していたのだと思います。近くにいるからこそ、変化に気づけなかったような気がします。

介護保険サービスも利用しましたが、症状は次第に進行。離れて暮らす兄弟とも相談し、母は介護付き老人ホームに入居しました。

出典:井戸美枝著

「身近な人が元気なうちに話しておきたいお金のこと介護のこと」

レビー小体型認知症とは、アルツハイマー型認知症に次いで多い認知症です。初期に幻覚や妄想が出ます。進行すると物忘れなどの認知症の症状が現れ、体が硬くなる、動作が遅くなる、小股で歩くなどの運動障害が出ます。高齢者は数年もすると寝たきりになることが多いといわれています。

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